8月某日、診察データ - しとお.mp3
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[00:00.00] 作词 : しとお[00:00.00] 作曲 : しとお[00:00.00]「ねえ、先生。□□くん、私のことが好きだって。[00:07.41]うん、それは嬉しいことで、ありがとう、って笑うべきことなの。[00:13.77]わかってる。ちゃんとそうしたよ」[00:19.29]私は夏の空が憎かった。私は夏の赤に嫌悪していた。[00:24.89]世界で一番大切な家族がい なくなっていった日を思い出すからだ。[00:30.37]その日は蒸し暑くて、汗がじとりと伝う、あれは、汗と他にもなにか、[00:37.93]それで、ええ、君のことを思い出してしまうから。思い出してしまう、思い出して。[00:46.00]思い出して、思い出して、忘れないために。[00:50.69]だけど私が人であるために。[00:54.38]全てを塗り潰すしかなかった。[01:14.80]君はいない 影法師は君じゃない[01:22.21]大人になった 上手く笑えるようになった[01:29.47]「ねえ先生、私はいつになったらあるべき大人になれるんだろう。[01:33.11]悲しいことを糧に生きるなんてかわいそうだし[01:35.82]だからってお葬式で笑っていたら怒られるじゃない」[01:38.84]「だから」[01:39.82]「ねえ先生、私、正しくは生きられているでしょう?」[01:44.15]彼女の大切な記憶は記録となり、思い出は黒く塗り潰された。[01:48.13]それは彼女が生きるために必要な治療だった。[01:50.67]大人になった今、明るく笑える彼女を見て[01:53.48]これは正しかったのだと強く思う。[01:55.53]「ああ、これでよかった」[01:57.16]言葉に出して、強く。[01:59.45]これで、よかったのだ。[02:02.70]その人の名前を、記録としてしか知らない。[02:06.06]■■は私の大切な人だった。思い出そうとして出てくる微かな声が、顔が、いつの日か別の誰かにすり替わっていた。[02:16.33]□□くんの手は暖かくて、[02:19.32]あの日握り返してくれなかった彼の体温と、同じだった。[02:23.00]私を見上げる□□ くんの目は大きくて可愛らしくて、[02:26.19]いつも私の頭を撫でてくれた■■の瞳と同じだった。[02:29.47]柔らかく、優しく、私を見下ろすその目。[02:35.88]あれ?[02:39.63]塗り潰したはずの記憶が暖かな思い出に変わっていたとき、私は気付いた。[02:47.31]「ねえ、先生。□□くん、私のことが好きだって」[02:54.88]「どうしようね。ねえ、どうしたらいいんだろう」[02:59.62]「私は彼の顔も名前もわからないのに。[03:03.22]私はきっと、ただ止まった時を眺めているだけなのに」[03:08.10]「それでもいいんだって。[03:10.94]馬鹿だよね」[03:12.43]「でも先生、■■は馬鹿じゃなかったんだ」[03:16.81]「違う、って、思ったんだ」[03:20.88]「私の手を握ってくれるあの子が居るこの夏が[03:25.12]記憶でも記録でもないあの子が[03:28.04]当たり前のことを教えてくれた」[03:30.59]「夏の空は青いんだって、ようやく気付いた」[03:40.49]夏 が 好き だと 笑った 無邪気な 子供と 呼ぶ に相応 しい[03:54.77]追い越したはず の背を 縮まらない年月を[04:02.14]もう 赤く ない夕暮れを あの子のいないこの夏 を[04:09.49]君は 生き てい る[04:16.68]私も 生き てい る
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